抄録 | 近年, コンテンツ産業を取巻く環境は消費者中心に変化しつつある。通信技術と放送・放映技術の発達・融合, コンテンツ産業の市場の国際化によって, この産業はそれが属する国家ブランドを高める必要性と持続的な海外事業展開の必要性を求められている。こうした環境の変化の中で, 韓国ではコンテンツ産業のインフラ整備に向けた政策的な支援が本格的に始められた。同産業は21世紀における国家の基幹産業の一つと目され, 1999 年2 月の「コンテンツ産業振興法」施行依頼,韓国政府はこの産業における様々な分野の政策的な支援を推進してきた。一方, 日本においては, その優れた技術力やクオリティに対する海外の評価にもかかわらず, 従来コンテンツ産業は子ども向けのゲーム・アニメに関わる産業という認識が強く, 産業として注目を浴びることがなかったが, 日本政府が2001 年3 月に知的財産戦略本部を内閣府内に設置して,同産業を21 世紀の成長戦略産業と位置づけるに至って, この産業の次世代における重要性が強調されるようになった。本稿は, 情報化社会における高付加価値産業として韓国政府がその育成政策を展開し, 日本においては世界第2 位の市場を持つコンテンツ産業の現状を比較し, 併せてこの産業が持つ各種の経済効果について考察するものである。 |