抄録 | ユニバーシアード神戸大会(1985年)に, 日本代表として出場する女子ユニバーシアード候補選手15名を対象とし, 体力の現状分析とトレーニング計画立案のための資料を得る目的で, 形態測定計13項目, 機能測定計10項目, 合計23項目の体力測定を実施し, 全日本を代表する世界一流女子実業団選手の測定値と比較すると共に体構成の面からも検討を加えた結果は次の通りであった。(1) 女子ユニバーシアード候補選手の形態面は, Hチームの選手に比較し, ほぼ同様であったが, 体構成で体脂肪含有量がやや多い傾向であることが認められた。(2) 筋力については, 握力(左右), 背筋力で, 明らかな差は認められず, ほぼ同様な値であった。(3) 瞬発力については, 3回跳, 垂直跳, ブロック・ジャンプ, スパイク・ジャンプで, ユニバーシアード候補選手は, Hチーム選手に比較し明らかに劣ることが認められた。(4) 敏捷性については, 9m3往復走, サイドステップ共に, やや劣ることが認められた。(5) 柔軟性については, 体前屈度, 体後反度共に優れることが認められた。(6)以上の結果から, 女子ユニバーシアード候補選手の体力は, 女子バレーボール選手として相当高い水準にあることが明らかになった。今後のトレーニングの方向としては, 瞬発力や敏捷性を高める合理的な体力強化トレーニングを技術練習に加えると共に, 身体組成の面, 栄養面でも工夫し, 体脂肪含有量を減少させることが重要な課題である。 |