抄録 | 大学男子バレーボール界で著しい躍進を遂げつつある城西大学男子バレーボール選手を対象とし, 体力の現状分析とトレーニング計画立案のための資料を得る目的で, 筋力, 敏捷性, 柔軟性を中心とする17項目の体力測定を実施し, 世界一流チームである全日本代表チーム選手及び中央大学チーム選手の測定値と比軟検討した。その結果は次のとおりであった。1) 城西大学選手の筋力, パワーについては, 握力(左右共)は中央大学選手に比較し, 明らかに優れ, 背筋力, 3回跳, 垂直跳, ブロックJ, ランニングJについては, 明らかに劣り危険率1%以下で有意差が認められた。全日本代表選手に比較して, 背筋力を除いた全項目で著しく劣り, 握力を除いた項目で危険率1%以下で有意差が認められた。2) 敏捷性については, 城西大学選手は, 全日本代表選手に比較し, 20m疾走で僅かに優れ, その他の項目についてはやや劣る傾向が認められた。中央大学選手に比較すると, サイドステップテストで僅かに劣るが, その他の項目では城西大学選手が優れ, 9m 3往後, 20m疾走では危険率1%以下で有意差が認められた。3)柔軟性については, 城西大学選手は, 全日本代表選手に比較し, 体前屈後, 体後反度共に明らかに劣り, 危険率1%以下で有意差が認められた。中央大学選手に比較し, 体後反度でほぼ同様, 体前屈度で明らかに劣り, 危険率1%以下で有意差が認められた。以上の結果から, 城西大学男子バレーボール選手の体力は, 筋力, 敏捷性, 柔軟性の点で全日本代表選手より劣るが, 敏捷性については, 中央大学選手とほぼ同様な動きを示し, 体力的にも, 大学バレーボール選手として, 相当高い水準にあることが明らかになった。今後は筋力パワーや動きのスピードを強化すると共に呼吸循環系の持久力や調整力についても検討を加えたい。 |